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2008年7月 4日 (金)

愛という字は

古語辞典『字訓』によると、「愛」は「あい」とは読みません。「うつく・し」、「うるは・し」、「かな・し」、「は・し」、「めぐ・し」などと読みます。

愛は頭を後ろに向け、足は前に向かう人の形で、その胸のところに心をそえる。後ろに心を残しながら、立ち去りかねて顧みる人の姿を写したもので、人が別れに臨んで、気がかりで後ろをふりかえり、いとおしむ心情を示す字。

後ろに心惹かれる心情を示す字で、いつまでも立ち去りがたく、心を定めかねるさまを僾、僾然という。「僾として見えず」とは、いつまでもその後ろ姿を追う心をいう。

曖は光のかげることをいう字(曖昧など)。愛にはその系列字からみても、「おほほし(鬱)」という感情を含んでいることが知られる。

かなし〔愛・哀・悲〕
どうしようもない切ない感情をいう。いとおしむ気持ちが極度に達した状態から、悲しむ気持ちとなる。思うことのかなわぬ意の動詞「かぬ」の系列語であり、自己の不充足感から他を「兼ね」ようとする心情をいう。

「かなし」という感情は繊細なものであるから、これにあたる適当な字がなく、愛・哀・悲などが用いられる。

愛の古音は at、欝・鬱(うつ)と声が近く、思いが心の中にみちて、どうしようもない感情をいい、「かなし」の語義と最も近い。

めぐし〔愍・愛・優〕
切なくかわいい。だまって見ているにたえないような、いとおしく気がかりなこと。

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