天津金木と鳥居とINRI
キリストの磔の像によく書いてあるINRIという文字が、稲荷[イナリ]と関係があるらしいって記事を以前に書きましたが、今回はそのINRIと、神道の鳥居を結びつける図を作ってみました。
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その前に、言霊学の基本的な知識として、天の御柱、国の御柱というのをちょっとだけ説明します。ここを踏まえないと、図形の説明ができないので。
(※ 言霊学について詳しくは、言霊の会で購入できる島田正路著『古事記と言霊』を参照してください。『コトタマ学入門』から入るとわかりやすいと思います。)
天の御柱[あめのみはしら]とは母音【アオウエ・イ】の縦の並びのことで、これに対し、国の御柱とは半母音【ワヲウヱ・ヰ】のことで、天の御柱は純粋な主観、国の御柱は純粋な客観を表す。主観と客観は陰陽であり、妹背(夫婦)でもある。
天の御柱には相対観と絶対観があり、主客が別れた相対観を図にするとこうなる。
このように【イ】伊耶那岐と【ヰ】伊耶那美の間で父韻【チ・イ・キ・ミ・シ・リ・ヒ・ニ】が飛び交う状態を「呼び合い」[よばい]といい、それによって32の子音が生み出される。(例:父韻【キ】と母音【ア】が組み合わさって子音【カ】が生まれる)
その飛び交っている八父韻を天の浮橋といい、飛び交う鳥に見立てて鳥居の形としても表される。キリスト教ではこの八父韻が契約の虹として表現されている。
ここまでが本に書いてあることと同じで、わたしの新論を展開するための前提です(ただし色分けはわたしが独自に把握したもの)。ここから本題に入ります。
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上の図に、天津金木音図(現在普通に使われているアカサタナの五十音図)の順番に父韻を並べてみると、【キ・シ・チ・ニ】がイザナギ側、【ヒ・ミ・イ・リ】をイザナミ側として、ちょうど真ん中で4音ずつに分けることができると思う。
その分けた最後の音(4番目と8番目の父韻)をそれぞれ取り出すと、【ニ】と【リ】。すなわち、【N】と【R】で、両側の御柱【I】【I】と併せて、INRIになる。
岐・美二神の呼ばいが鳥居の形で表されることから、INRIのそれぞれの文字を鳥居のそれぞれのパーツに当てはめ、さらに【ニ】【リ】以外の父韻は奇しくもわたしの法則の三原色(△▽三角になっている同士)にちょうど当てはまるようなので、それぞれ三つ巴にして丸めてみる。すると、こんな感じの図形が自ずと出来上がる。
伊耶那岐側の黄色い柱【I】、伊耶那美側の緑の柱【I】、そして赤紫の笠木【N】、藍色の貫【R】。笠木(上の横棒)側には赤・青・黄の左三つ巴、貫(下の横棒)側には紫・緑・橙の右三つ巴となっています。
【N】段の裏表のないコトタマ(父韻と母音が同じ色のコトタマ)は【ナ】で、神名は鳥の石楠船、別名を天の鳥船。鳥居だけに、鳥ですよ!
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【R】段の裏表のないコトタマは【ロ】天の狭霧の神。霧のように拡散していて、よくわからない状態を意味しているような気がします。不確定要素。量子とか、虚数に近いのかも。
実際、ラリルレロはいくら考えていても本当によくわからない領域。やまとことばにはラリルレロで始まる言葉はないそうです。なので、現在の日本語でラ行で始まる言葉はすべて外来語。らせん、るつぼ、とかね。
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そんなよくわからない霧の中で転がっているのが 紫と緑と橙色【H・M・Y】の三つ巴ってわけだね。イザナミ側なので右回りにしました(逆っぽいけどしっぽの向きで決まっているそうです)。
黄・青・赤【K・S・T】の三原色の三つ巴はイザナギ側なので左回り。笠木の【N】は根の国の音。根の国は根の堅州国[ねのかたすくに]ともいい、根(音)が固まっている国ということでしょうか。
音が固まるとは、言語化されているということでしょうか。物事は言語化されるまでは存在しないのと同じだから。曖昧な事物は言語化されて定義されて初めてこの世に存在をはじめる。
つまりコトタマ【ナ】は文字通り名前のことですよね。名をつけることがトリ(物事の最後、締めくくり)であるといえると思います。不確定要素である【ロ】に【ナ】(名)をつけることによって確定する。
現象を生み出すと同時に名前をつける主体は、ほかでもない、【イ】伊耶那岐の神であると『古事記と言霊』には書かれています。
このように天津金木とINRIと鳥居がとてもきれいにまとまると思います。
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言霊学ではコトタマ【エ】が中心となった天津太祝詞[あまつふとのりと]音図(ア・タカマハラナヤサ・ワ)の優位性と、コトタマ【ウ】が中心となった天津金木音図(ア・カサタナハマヤラ・ワ)の欠陥について述べられていることが多いのですが、グノーシスでいう「悪の宇宙」を作る音図が、たぶん天津金木なんだと思います。で、本来の天であるプレーローマが高天原で、その音図(宇宙の設計図みたいなもの?)が天津太祝詞。
わたしが作っている「色と音と数の法則」は、現在ごく普通に使われているアカサタナの五十音図である天津金木、そして3×3が基盤となっているものです。上下の三角△▽が合わさった形が基盤となっていて、それはふたつの三つ巴のようにも、六芒星(ダビデの星)のようにも見えます。
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この法則がいろんなところにきれいに当てはまるのを何度も経験して、すっかり虜になってます。自分の学んでいる理論が批判している対象を逆に取り込んでしまうのが、いつものわたしの癖のようです。
なんかこう、DNAレベルで天の邪鬼なんでしょうか、わたし。
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一旦ここで切って、次は、主客が一体となった絶対観について書こうと思います。鳥居の図形を描いているうちにもうひとつの図形が生まれてしまいました。
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