インクレディブル・マシーンと『風が吹くとき』
最近ずっとハマっているゲームが、インクレディブル・マシーン(米・シエラ社)。これは昔、わたしがパソコンをはじめたばかりの頃にハマっていたゲームで、いわゆる「ピタゴラ装置」をつくって目的を達成するゲーム。
暇つぶしにも最適だし、知性を刺激して、クリアしたときの達成感や爽快感が大きくて、猿みたいにクセになる(という売り文句だったと思う)。
ふとしたことから思いだし、どうしてもまたやりたくなって、Vistaでもできないかどうか探していたら、見つけました!
【参考リンク】
Incredible Machine Mega Pack, The - GOG.com
インクレシリーズ(英語)が4本セットで$9.99、もちろんVistaにも対応してるということで、即購入。海外サイトですが、ダウンロード販売なので、クレジットカードで問題なく購入できました。
日本では当時、「もっともっとインクレディブル・マシーン」(英語タイトルは[The Even More Incredible Machine])と、「インクレディブル・マシーン3」(英語タイトルは[The Incredible Machine 3])が入手可能で、わたしはその両方を持っていましたが、このセットはさらに2本、[Return of the Incredible Machine Contraptions]と[The Incredible Machine - Even More Contraptions]も収録されています。
[Return of the Incredible Machine Contraptions]のほうは、インクレ3のリメイク版といった感じで、ほとんどの問題が使い回しでした(一部新問題もあり)。しかし、[The Incredible Machine - Even More Contraptions]のほうは、チュートリアル以外はほぼすべて新問題で、難易度も上がっていて、すごくやりがいがあります。問題数も大幅に増えてる。
インクレファンならぜひとも押さえておきたいところ!
すでに3本はクリア、今は最後の[The Incredible Machine - Even More Contraptions]をやってます。
【参考リンク】
for all incrayers(インクレディブル・マシーンのファンサイト)
もっともっとインクレディブル・マシーン
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さて、次は『風が吹くとき』(英語タイトル[WHEN THE WIND BLOWS])ですが、これは被曝をテーマにした物語です。ご存じの方も多いと思いますが、わたしも子供の頃、この絵本を読んでけっこうトラウマだった。
昨年末あたりから、にわかに自分の中でブームが起きてしまい、動画を見たり、サウンドトラックを注文して聴きまくったりしていたわけなのですが…、まさか日本が本当に「リアル風が吹くとき」の危機に直面するなんて、思いもしませんでした。
本来は絵本ですが、アニメーションで映画化もされています。ニコニコ動画に全編UPされていました。日本語字幕付きです。
【参考リンク】
WHEN THE WIND BLOWS 1/4
WHEN THE WIND BLOWS 2/4
WHEN THE WIND BLOWS 3/4
WHEN THE WIND BLOWS 4/4
主題歌をデヴィッド・ボウイが歌っていて、これがまたいいんだ。
DAVID BOWIE - WHEN THE WIND BLOWS -風が吹くとき- (1986)
Life burns a savage wound, angry and wrong
Trusting a twisted word, you'll run, run away
You'll take him home
You'll spit and taunt him
But they won't believe you
No matter what you'll say傷口は焼けるようだ いのちの怒りで
歪んだ言葉を信じたら 逃げ続けなければ
彼を家に連れてきて なじったところで
誰も信じてはくれない 君が何と言おうと
深い悲しみと、その底にある突き抜け感とでもいうのかな。とても複雑な感情をかき立てる曲です。
インクレディブル・マシーンは「風が吹けば桶屋が儲かる」って感じのゲームなので、『風が吹くとき』とかぶりますよね。『風が吹くとき』の桶屋は棺桶屋になっちゃうけどね。
映画のラストで、おじいさんとおばあさんが、政府の指導に従って、身分証明書を持って麻袋に入りますが、それは死体の身元確認を楽にするためにほかならない。自分ではいるための墓穴を自分で掘らされていたという強烈な皮肉。
イギリスの映画です。とてもイギリス人らしい映画だと思います。陰鬱でシニカル、だけどその本質が自虐ギャグであることをわたしは知っている。
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物事はできるだけ遠回しにするのが上品なんだって。たとえば京都の人の上品さというのは決して単刀直入に言わずに、何層にもオブラートにくるんで、できるだけ遠回しに言うというあたりなんだそうな。
「風が吹けば桶屋が儲かる」のように、インクレディブルマシーンでは条件を達成するために何段階もの手順を踏む。非常に効率が悪いけど、その複雑なからくりを作るのがおもしろいのであって。
単純なからくりはだから何?という感じでおもしろくない。しかも美しくない。一件無関係な部品がすべて組み合わさってひとつの目的のために連動するその瞬間に荘厳な美を感じる。
ハッ!と気づく瞬間。アハ体験だよね。
ある目的を達成するために、その裏には複雑怪奇なからくりが埋蔵されているように、京都の地下には琵琶湖に匹敵するほどの地底湖があり、京都の町はまるで巨大な水瓶の蓋のようなものなんだって。それが京都人のDNAに関わっていないわけがない。
わたしが京都に惹かれるのは、まるで日本にミステリアスでオリエンタルな幻想を抱いている外国人のごときなり。
っていうか、だれだよおまえ、みたいなw
【関連記事】
あめのみくりや:京都人とイギリス人
【参考リンク】
勝手に関西世界遺産 登録番号187:いけず(asahi.com)
京都まにあ/水の都 【地底の水】
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